A Deabetic Life - 糖尿病の生活

A DEABETIC LIFE

− 糖尿病と心の問題 −


■糖尿病患者の心の持ち様
「あなたは糖尿病です」
「今のままでは命に関わるんですよ?」
こんなことを医師から告げられたら、あなたはどうしますか?
自分に糖尿病の因子を持っている方や、肥満の方は、常に糖尿病というものに対して意識はしているはずです。だからどのような病気であるのか、何となく知っている場合が多いものです。ですから、このようなことを医師から言われて、真っ先に思うのは、
「まさか自分が・・・」
「自分だけはまだ大丈夫だと思っていたのに・・・」
ということでしょう。
「ああ、来るべき時が来たか」
などと受け止めることができる方はほとんどいらっしゃらないと思います。

糖尿病だという診断結果を医師から告げられた瞬間、患者はどうしようもない不安に陥ります。何となくどのような病気なのかを知っているだけに、その不安はどんどん加速していき、悪い方へ悪い方へと考えてしまいがちになることでしょう。
その結果、4通りのパターンに分かれるのではないか?と私は考えます。

(1)現実逃避型A
これは、医師から糖尿病だと告げられているにも関わらず、自覚症状などがないため、まだどうってことがない、と医師の言うことを信じず、今までとあまり変わらない生活を送る方々です。こうした方が結構いらっしゃるようで、医師がどんなに本気で患者の為にアドバイスをしてくれても患者側が暖簾に腕押し・糠に釘、という状態では、医師もそれ以上何もできなくなってしまいます。
こうした大した知識も身に付けず、医師の言いつけも守らず、自堕落な生活を続けていくと、確実に合併症に蝕まれることでしょう。自覚症状が出てからでは時既に遅し、という場合も多々あり、失明、壊疽、人工透析、死の恐怖といきなり直面することとなるのです。

(2)現実逃避型B
このタイプは、しっかり節制タイプにも一見みえてしまいます。
しかしやっていることと言ったら「これで糖尿病が治る!」という誇大広告に簡単にひっかかり高い健康食品(効能は不明)を大量に買い込んでしまったり、「○○教に入信して教祖様の言い付けを守れば糖尿病は治る!」という詐欺広告に簡単にひっかかりお布施と称して高額な商品を買わされたり現金を騙し取られたり、とロクなものではありません。
こうした人に限って「これさえ食べていれば病気は治る」とか「○○教の教祖様はすごく立派な方」とか言って、科学的・医学的な治療をないがしろにします。
自分の欲望に耐えられずに現実逃避するAタイプと同様、Bタイプに当てはまる方も自分が置かれた立場を理解しようとせずに逃げていると言わざるを得ません。
ちなみに、糖尿病が治るという謳い文句でホームページを開設している宗教団体のトップとしてオウム真理教(現:アーレフ)があります。同じ謳い文句で健康食品や漢方薬を売っているホームページも多数ありますが、どれも「薬に頼る前に病院に行ってサッサとインシュリンを処方してもらえよ…」というものばかり。ハッキリ言ってアヤシイ以外の何者でもありません。

(3)自分では治療しているつもり型
このタイプは、本人は医師の言い付けを守って治療に専念しているつもりではいますが、自ら正しい知識を得ようとせず、いつのまにか治療が自己流になっていき、検査結果が芳しくないからと言っては悩むタイプです。自分の父がこのタイプです。
普段は本人は抑えているつもりでしょうが、酒を飲んだり食事を摂ったりして明らかにカロリーオーバー。運動療法もしてはいるけれど運動した時は一杯くらいは大丈夫とまた酒を飲んでしまう(カロリーオーバー)。医師からはインシュリン注射を勧められているにも関わらず「インシュリン注射=重度の患者がするもの」と誤った認識をしているために口径投与剤だけで済まそうとする。などなど…。
本人は治療に専念していると思い込んでいるんだから周りのアドバイスには耳を貸しません。こうした患者は検査日の朝食を抜いて、血糖値が下がった!と喜ぶタイプです。これでは下がるのは当たり前ですが、検査後には昼食も夕食も食べるので、体が余計にカロリーを体内に取り入れようとしてしまい逆効果になる場合もあります。また血糖値が一時的に下がって見えてもHbA1cは正直に食生活を物語るので、医師にはバレてしまいます。

(4)しっかり節制しっかり治療型
医師の言い付けを守り、科学的・医学的な治療と、食事や飲酒の節制や運動をキチンとやっているタイプ。医師から見れば理想の患者と言えるのではないでしょうか。
こうした人々は積極的に糖尿病に対する知識を求めますし、自分の体のコントロールを自分で管理し、自らの体調を常に把握しているはずです。
インシュリンを多めに注射してお酒や甘いものを適度に楽しむ人もたくさんいらっしゃると聞きます(医師の許可と指導が必要なようです)。
このタイプの人が、結局一番人生を謳歌し、明るく楽しく暮らしていると言えるのではないでしょうか。
自分も今はとにかく人並みにまで血糖値を下げなくてはならないので(2004年3月現在)、早く血糖値とHbA1cを下げ、体重を下げて、こうした優秀な患者でありたいと思っています。インシュリン注射を調整してキチンとしていれば、酒も飲めるし甘いものを食べてもいいのですから、こんなに幸せなことはないと言えるでしょう。

さて、これらの4タイプの患者の中で、あなたならどのタイプに属していたいと思うでしょうか?
当然、しっかり節制しっかり治療型に入って、天寿をまっとうした死に方をしたいと思うはずです(太く短く生きたいという方はどうにでもしてくれていていいんですけれどね)。
タイプ(4)に属するには、まずは糖尿病になったという事実を一日でも早く受け入れ、一日でも早い治療開始が必要でしょう。そしてまずは血糖値、HbA1c、体重を適正値まで下げていくべきです。
数値が下がって来ると体調がよくなったり、体調不良に敏感になったりしていくと思われます(私自身がそうです)。こうなると治療が逆に楽しくなります。目標達成が自分の努力で必ずできるのですから、こんなに楽なことはありません。身体も心も楽になり、恐がらずに周囲に「自分は糖尿病患者である」とカミングアウトしてみたらどうでしょうか?
心無い言葉を浴びせる人も、中にはいるでしょう。
そういう人には因果応報、生活習慣病や慢性疾患なんて、糖尿病の他にも山のようにありますから、コイツはどれかになって苦しむがいいさ!って思って悔しさを紛らわすのも手でしょう(非道いと思う方もいらっしゃるでしょうが、糖尿病患者に対する差別は実際にあるのですから、世の中から病気に関する誤解が早く消えて欲しいとは思いませんか?)。
カミングアウトしてみると、意外と周りの反応は優しいものです。
「不摂生をしている者だけがかかる贅沢病」という大昔の誤った認識を捨て、現代科学・現代医学の常識となっている正しい認識に切り替える。自分がそうするだけで、精神的に随分楽になれると思います。

糖尿病=ハンディキャップ、と思って周囲に甘えてはいけないとは思います。
でも、そのハンディキャップがあるからこそ、他のハンディキャップを抱える人達に優しく接することができるのです。
そう思うと、ホラ、糖尿病なんて不安になっていないで、もっと楽に考えることができるようになりませんか?
しっかり節制しっかり治療、というのは、長い治療(一生涯続く)をしなければならない慢性疾患患者にとっては気の遠くなる思いです。でもそうしなければ、一生が短くなっていくんだと思って、治療に精を出して行こうとは思いませんか?

私がかかっている大病院の内科医が言っていました。
「糖尿病治療はマラソンと同じ。最初に全速力で走ってしまったら後半バテて走れなくなる。後半だけを頑張ろうとするとトップ集団には追い付けない。焦らず自分のペースを守って、トップ集団にい続けることが大切。だから適当でいいんです。適当で。もちろんいい加減はいけませんが、疲れない程度に適当にやっていきましょう。そして最期までしっかり走って、人生を天寿をまっとうする形で終わりましょう」
スタジオジブリの名作「ほ〜ほけきょとなりの山田くん(原作:いしいひさいち氏)」というアニメ映画でも、ラストシーンで「先生の今年の目標は?」と聞かれた、のの子ちゃんの担任の藤原先生が、紙にでっかく「適当」と書くシーンがあります。こうした心がけでいいのではないか?と思います。
インシュリン5単位を打たないといけないのに、ダイヤル調節を間違えて6単位打っちゃった!低血糖を防ぐために、一口だけ余計にご飯を食べよう。
こうしたケ・セラセラな適当さが、長い治療には必要なのかもしれません。
ただし、この適当さを逃げ道にしてはいけませんけれども。
■こういう業者にはお気を付け下さい
大吉 <kanamio@mxa.nkansai.ne.jp>
http://kanamio.fc2web.com/
このサイトでは生活習慣病にいいと言われる水を販売して儲けませんか?というもの。このサイトの主旨とは大きくかけ離れている上に、生活習慣病改善に水がいいというのは大きな間違いで、生活習慣病はその名の通り生活習慣を改善しない限り改善されません。

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